映画や漫画でドリトルという人物が出てくる作品に共通して動物と話せるということがあり、元はどこからきているのかなとずっと疑問だった。たまたま本屋でこの本を見つけたとき、これがものネタか。という単純な気持ちで購入してしばらく棚の中で寝かせていた。
読んでみての感想を簡単に言うと、初めの方から終わりまでこんなにもワクワクさせられる冒険物語はなかなか出会えるものではない。動物と話せることを抜きにしても、とても素晴らしいファンタジーだった。
そもそも読んでいる間、ファンタジーを読んでいるという気持ちにはならなかった。ありありとした風景が浮かび、現実を基にした物語なのではとも思えてしまうほど。
またドリトル先生はとても魅力的なキャラクターで、その行動一つ一つが面白かったり、感動させられたり、またはなんて大胆なんだろうと思う行動に驚かされたり。物語はドリトル先生の視線ではなくその助手のスタビンズという人物を通して語られる。そのため、よりいっそうドリトル先生の魅力が感じ取れる。
登場人物に感情移入するというよりも、自分もその場にいて冒険しているような、ドリトル先生の活躍を目の当たりしているような気分であった。冒険心がまた飢えを感じたときに、この本を再度読んでみたいなと思った。