「下町不思議町物語」
著者:香月日輪
いくつになっても柔軟な心を持つことは大切である。年を重ね周りの事ばかり気にして本当に大切なことを忘れていないだろうか。この本を読むと、そう考えさせられる様だ。子供の頃はもっと純粋に物事を見ることができたはずだとね。
内容は年齢問わず楽しめる本だと思う(ただ、だいぶ前の本なので今の若い子が読むと違和感があるかもしれない。特に電話関係)。ダイヤル式電話や固定電話は懐かしいな。
子供の頃は純粋さゆえに通常では見ることのできないものが見えたりする。私も多少見えた(なんてね)。この物語も通常は行き着くことができないはずの場所に小学生の主人公はたどり着き、そこで心の支えとなる師匠と出会い話は進んでいく。
大人な堅苦しい事情やライバルの事情に巻き込まれていき……。そんな感じで誰しもが小さいころに経験したような苦い思いが続くが、最後は本当に心温まる結末を迎える。
私は妖怪、魔女やらお化けやら、そういったのが好きだと思っている(ホラーは嫌いですが……)。そうだ、もっとわかりやすく言うと映画ジブリの『となりのトトロ』とかも好きということだが、トトロが好きならこの本は是非おすすめします。